H11T 東芝製 EMOBILE音声端末

 3/28にいよいよサービス開始となった、イー・モバイルの音声端末です。
 同時発売のS11HTの方が、何かと話題になってますが、あっちはWM機ってこともあり、PDA色が強いんで、純然たる音声端末としては、これが第一号機って感じになるかと。

 私は3/3に予約し、3/28のサービス開始日の夕方に入手したんですが、さすがにサービス開始直後だけあって、割と当日はどたばただったみたいです。
 実際、私も3/24に一度、3/28の受け渡しは無理かもしれないとの連絡が店の方から一度入ったんですが、翌日、改めて開通確認の連絡が入り、無事当日受け取ることが出来ました。
 実際、端末から請求明細の方を確認してみると、利用期間が3/24〜3/31となってます。

 サービス開始当日の混乱を避けるため、予約分に関しては事前に開通作業を行い(どうせ3月の請求分に関しては無料扱いですし)、サービス開始と同時に引き渡せるよう準備してたんだと思うんですが、どうもキャリア側の予測をさらに上回る申し込みがあったために、結局捌ききれなかったってトコでしょうか。完全に嬉しい悲鳴状態ですな(^^;)。

使用感

 端末自体の使用感については、良い意味でも悪い意味でも、極々普通の携帯電話って感じです。これまでのEM・ONE等、データ通信に特化したイメージからするといっそ拍子抜けするくらい普通の携帯電話です。

 いわゆる着信音や壁紙の設定など、普通の携帯電話で出来そうなことはあらかた出来る反面、使えるデータはMMF(SMAF)のみで、MP3データや、MIDIデータを直接鳴らしたりすることは出来ません。

 Webブラウジングについても、通信速度こそ高速ながら、所詮ワイドQVGA画面な訳で、普通のWebページ等を閲覧するにあたっては、レイアウト無視で無理矢理一画面に収めるか、スクロールを多用することになります。その上、画像を多用したページなどはメモリ不足で完全に読み込み出来なかったりもします。

 ただ、これらの問題は全てPCと比較しての話で、単純に携帯電話として見れば、どれも当たり前の話ばかりです。むしろ、そういったPDA的な使い方を考えるのであれば、ちゃんとS11HTが用意されてる訳で。
 そうして、改めて携帯電話として見れば、一通り普通に出来そうなことは一通りこなせる過不足無い端末であることが良く分かります。
 どれを取っても早くも無いけれど、だからと言っても遅くも無く。外観からしても分厚い訳でも無いけど、極端に薄くも小さくもなく。全く癖が無いとまでは言いませんが、まぁおしなべてオール80点の端末って感じでしょうか。どこぞの車じゃないですが(笑)。

 正直、端末単体の評価としては、欠点が見当たらないと同時に特筆すべき長所も見当たらず、紹介に困る部分もあるんですが、逆に第一号機として、よくもまぁ、これだけ完成度の高い端末を持ってきたものだと感心します。

 ただ、このH11Tの評価については、端末単体ではなく、イー・モバイルの端末であること、それ自体に意味があるのは間違いない事実でしょう。
 先程、Webブラウジングについて、画面表示の問題等を挙げましたが、回線速度についてはさすがイー・モバイルだけあって、非常に高速です。それを単体で利用するのみならず、Bluetoothモデムとして利用することで、他のマシンでも享受することが出来る訳で。
 それは端末ではなく、紛れも無くイー・モバイルと言うキャリアの長所な訳ですが、そのキャリアの長所をスポイルしないと言うのが、この端末の最大のメリットであるように思います(^^)。

Tips メインメニューについて

 さて、基本的に過不足なしと書いたH11Tですが、それでも若干気になるのがメインメニューの動作です。
 メニューの表示は、既存の東芝端末と同様Flashを利用しているようですが、これが余り軽快とは言えません。
 一応、デフォルトで用意されているもう一つのテーマ「Lively」に変えるだけでも、若干動作は軽くなりますが、それよりも単純に「切替」(メインメニュー表示中に左上のメールボタン)でタブ表示に切り替えると見違えるように動作が軽くなります。
 タブ表示でも、項目の並び替えなどは可能なので、普段はこちらに設定しておく方が快適だと思います。

充電/バッテリ消費について

 ACアダプタの定格は DC 5V 720mA です。
 コネクタ部は、FOMASoftBank等でも使われている3G端末共通のコネクタとなっています。
 そのため、既存の3G端末用の充電器などを流用することも可能です。勿論メーカー保証外の行為にはなりますが。

 また、パッケージにはワンセグ視聴時のスタンドも兼ねた充電用のクレードルも付属しています。

 バッテリーの持ち時間についてですが、3日程使ってみた限りでは、今んとこ可も無く、不可も無くって感じですか。
 とりあえず、朝、満充電で持ち出して、BT待ち受けはONにしたまま、夜まで軽くWebブラウズを切れ切れに一時間程度こなすくらいの使い方だと、夜まで十分に使えてます。
 ただ、ワンセグを利用すると一気にバッテリーを消費するようで、夜までに目盛り一つも減らなかったのが、そこから15分程視聴しただけで、一気にバッテリー残量が0にまで落ち込んでしまいました。まぁ、ワンセグはチャンネルサーチやら、データ通信やら、電波受けまくりの飛ばしまくりなんで、しゃーないとは思うんですが(^^;)。
 このへん、BTモデムとしてフルタイム使用した場合だと、どの程度使用出来るのかが気になるトコなんで、そのへん追い追い耐久試験でもしてみようかと思います。

 あと、これは実消費電力とはまた別問題なんですが、バッテリ残量表示・・・かなりいい加減っぽいです。つか、20分くらい充電したトコで目盛り満タンになったんで、エラい充電早いなー、とか思ったら、あっと言う間に要充電に・・・。同じ、満タン表示でも一晩充電してると、そんなコトは無いんで、余り本体のバッテリ残量表示は当てにしない方が良いみたいです(苦笑)。

ストレージ(microSD)について

 H11Tでは、外部ストレージとしてmicroSDメモリカードが利用出来ます。
 2GBのmicroSDまでは問題無く認識出来ますが、SDHCには非対応となります。
 実際に、手持ちの8GBと4GBのmicroSDHCカードで試してみましたが、メモリカードが挿さったコト自体は認識しますが、その後、読み込みエラーが発生します。

ネットワーク接続について

 H11T単体のネットワーク接続についてですが、既報の通りEMnetを契約していない場合、メールやWebブラウズ等は行えません。
 と言うか、H11T単体では、任意のダイアルアップ先を設定することが出来ないため、デフォルトで持っているEMnet以外に接続することが出来ないと言うのが真相のようです。
 逆に言えば、EMnet以外のネットワーク接続そのものを別に規制している訳ではないので、H11Tをモデムとして利用し、クライアント側から任意のダイアルアップ先へ接続する分には、EMnetの契約の有無に関わらず、普通にネットワークを利用することが出来ます。

 実際に、EMnetを契約していないH11Tで、ZaurusBluetoothで接続し、ダイアルアップ接続を試してみたところ、問題無くネットワーク接続を利用することが出来ることを確認しました(^^)。

EM chipの互換性

 音声端末で使われているSIM(EM chip)についてですが、これまでに使われていたSIMとは別のSIMが使われています。

 これまでは、画像左の赤色のSIMが使われていましたが、音声端末のSIMは黒色のSIMとなっています。ちなみに、3/25にサービス開始したEMチャージ用にはまた別のSIMが使われているそうで、イー・モバイルにはは都合三種のSIMが存在することになります。

 各SIMの互換性についてですが、少なくともデータ用の赤SIMと音声用の黒SIMについては、基本的な相互互換性は保たれているようです。
 ただし、データ用の赤SIMをH11Tに挿すと、端末起動時に以下のような警告メッセージが表示されます。

 と、警告こそ表示されるものの、実は端末の起動はそのまま行えたりします。
 起動後、メニューから自局番号を確認してみたところ、ちゃんとデータSIMの番号が表示されました。

 ただし、当然のように音声通話を行うことは出来ません。この番号に電話をかけてみても、「お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません」と、いつものアナウンスが流れ、着信も出来ません。・・・つか、イー・モバイルのデータ回線って、電話番号はちゃんと存在するのに加入者なしの扱いになるんだ、初めて知った(笑)。

 また、EMnetの契約も当然無いSIMですんで、H11T単体でネットワークへ接続することも出来ません。

 ただし、この状態でモデムとして接続し、クライアント側からダイアルアップ接続を行ってみたところ、ちゃんとネットワークに接続することが出来ました。


 続いて、音声の黒SIMをデータ端末のD01NXに挿してみます。
 こちらについては全く問題無く、普通に利用することが出来ました。


 まとめると

  • ネットワーク接続=赤SIM/黒SIM互換(但し、EMnet契約の有無による違いはあり)
  • 音声通話=黒SIMのみ対応

となり、黒SIMは赤SIMに対して、上位互換と考えて良さそうです。

 後、気になるとすれば、音声用の黒SIMでEMnet以外に接続した場合の課金くらいですか。
 とは言っても、請求情報見る限りでは、パケット通信は一括で表示されており、EMnetと既存のEMOBILE APへの接続で特に区別はされていませんし、S11HTEMnetに加入しない場合もあり得ることを考えれば、別段問題は無いとは思うんですが。こればっかりは実際の請求来てからじゃないと分かんないからなぁ(^^;)。