工人舎 SA1F00B 三日目

BIOS その2

 ブートデバイス絡みで、割と癖あるのが分かってきたんで、ちょっと詳細を調べてみました。

 SAシリーズに搭載されてるBIOS、XpressROMの大元の製作元は台湾のInsyde Technology 社。
 ちなみに、このGeode LX用のBIOS以外にも、Transmeta Crusoe用のBIOSなんかも造ってるみたいで、このへんの組み込み系のBIOSに強いトコみたいですね。

 さて、このXpressROM BIOSは、他のGeode LX800を搭載する組み込み系のシステムボードなんかでも、軒並みこのBIOSが使われてるみたいで、また、AMDのページ自体でもGeode LXのBIOSとして、こちらの名前が記載されてます。ですんで、これが事実上Geode LX標準BIOSになるみたいです。
 開発元のリリースノートを見る限りでは、最新版は2006/02/02公開のver1.01 及び、ver1.02。枝番については機器側の仕様による対応のようなんで、基本的な機能に差異は無いようです。更新履歴見てるとUSB Boot関連については、これまでにも色々と頻繁に手が加えられてるみたいですな(苦笑)。

 いちお、最新版が2006年公開なんで、普通に開発は続いてるんでしょう。このへん、SAシリーズの方にもフィードバックを期待したいトコですな。

リカバリ

 リカバリについては、CD-ROM等は添付されず、内蔵HDDの不可視領域からのリストアのみとなります。

 手順については、起動時にF4を押すことで、リカバリメニューに入ることが出来ます。

 このリカバリメニューには、Phoenix Technologies社のPhoenix cME(Core Managed Environment) が使用されています。

 Phoenix cMEは、不可視領域に仕込まれた統合セキュリティソフトで、リカバリ作業の他にも、トラブルシューティングのメニューから、システムチェックや、システム情報の表示等も行うことが出来ます。


 作業終了後は、右上のXボタンを押すことで、再び通常のブートシーケンスへ戻ります。


 なお、IBM ThinkPad等で採用されているDtoD(HPA)も、実際にはこのPhoenix製品のカスタマイズ版を用いているって話もあるんで、不可視領域のバックアップや、アクセス等はそれらの情報が参考になるかもしれません。このへんは、個人的に要再検証(^^;)。


 このPhoenix cMEは統合ソフトでありつつも、実質的にはアプリケーションランチャ的な正確も備えており、リカバリ作業そのものはPhoenix cMEに登録されたRecovery Proを起動させて行うことになります。

 メニューを見ると、クイックバックアップ(コンピュータの復元)や、詳細メニューの中で、増分バックアップ作成等の項目も見受けられますが、このへんSA1F00Bには必要最低限のコンポーネントのみがインストールされているようで、実際には工場出荷状態(工場出荷時復元ポイント)へのリカバリ以外は選択出来ません。

 復元を選択すると、再びマシンがリブートし、今度はリカバリイメージの復旧先を選択する画面が表示されます。

 一応、説明書では「ブートパーティションリカバリーする」を選ぶよう記載されています。
 この場合、リカバリはブートパーティションについてのみ行われ、出荷時に確保されている二番目以降のパーティションについては一切手は加えられません。
 試しに D:ドライブとして割り当てられているパーティションを一旦削除。その後、改めて二番目、三番目のパーティションを切り直し、データ等も置いたままリカバリ試してみたところ、それらのパーティションについては、ホントにそのまんまでした(笑)。

 データドライブも含め、完全に工場出荷状態へ復帰させた場合は、「ドライブ全体をリカバリーする」を選択します。その場合、パーティション構成まで含め、全てのデータがクリアされ、完全に工場出荷状態へと復帰します。


 復旧先を選択すると、リカバリイメージの復旧作業が開始されます。

 イメージ復旧作業自体は大体20分くらいで終わります。ただし、イメージ復旧中に表示されるプログレスバーのパーセンテージは、この後のセットアッププロセス終了までの時間も見越して設定されてるみたいで、100%に至る以前、大体、80%を超えたあたりで、リブートが行われます。プログレスバーの中途で、いきなり再起動かかるんでヒヤッとするかもしれませんが、正常に処理進んでる結果ですんで、ご安心下さい。・・・つか、正直、かなり焦った(^^;)。

 リカバリされたイメージには、NTFSのダーティビットがセットされているようで、再起動後、まずWindows XPchkdskが実行されます。
 chkdsk終了後、再びマシンはリブートされWindows XPの初期セットアッププロセスが開始されます。セットアッププロセス終了後は、さらにもう一回、再起動が行われ、通常のシステム起動を以て、リカバリ作業は完了です。

 ちなみに、リカバリメニューの起動から数えると、

  • Phoenix cME 起動
  • Phoenix Recover Pro 起動
  • イメージ復旧作業開始
  • chkdsk開始
  • セットアッププロセス開始
  • 通常起動

と、都合6回のリブートを経ることになります。

 最終的に、全てのリカバリ作業が終了するまでの所要時間は、30分〜1時間くらいです。

 リカバリ後のブートパーティションは、デフォルトの工人舎の壁紙やノートンの試用版など、プリインストールされていたアプリケーションまで含め、完全に工場出荷時の状態に復帰します。

デバイスドライバ

 基本的に、SAシリーズのリカバリ環境は、内蔵HDDのみでドライバCD等が添付されてないのは既述の通りです。ただ、オーディオ、ビデオ等、一応ドライバ類一式は内蔵HDDの中にフォルダ切られて収録されていました。

 具体的には、C:\KJS\Driver\ 以下

  • Audio
  • Bluetooth
  • Chipset
  • Keyboard
  • LAN
  • MediaSlot
  • Touchpad
  • Video
  • WLAN

と、フォルダ毎にそれぞれのドライバが収録されています。

 また、C:\Program Files\KJS\ 以下にも各種ユーティリティが収録されてるみたいなんで、このへんは念の為、別メディアにバックアップ取っといた方が良いかもしれませんね。