IBS Japan IMSW-822 MiniSD型 無線LANカード その3

 ようやく、トラブル解消した(苦笑)んで、改めて動作についての検証など。

 まず、デバイス挿入時の動作についてだが、カード挿入からデバイス認識まで、多少時間がかかる。手元の環境では、デバイス認識−無線接続が確立するまで、大体平均して30〜40秒くらいかかる。

 なお、本体サスペンド時にカードを挿入した場合には、サスペンドからの復帰を含むため、さらに時間がかかるのは言うまでも無いが、復帰時にデバイスを見失うことが多々あった。基本的にカードの挿入時は本体の動作を確認してから挿入する方が良いようだ。

 また、それ以外でもTODAY画面に多くのアイテムを追加していたり、複数のアプリケーションが動作している状態だと、デバイスを認識しない場合が多々ある。

 これらの症状は、W-ZERO3[es]のSD/IOコントローラはCPUが直接制御する仕様となっているため、CPU負荷が高い状態だと、SD/IOのコントロールまで手が回らなくなってしまうそうな(汗)。

 デバイス認識まで時間を要することや、先日までのAPとの相性問題などは、正直このへんに起因してるんでは無いかと思われる。


 デバイス認識後の接続設定に関しては、OS標準のWIRELESS ZERO CONFIGRATIONが用いられるため、特に難しい部分は無い。
 ESS-IDを通知、かつ暗号化されていないAPであれば、自動的にAPが検索され、接続を選択するだけで通信が行える。
 勿論、そうでないAP、ESS-IDを通知しない設定のAPや、暗号化されたAPに接続する場合は、別途ワイヤレスマネージャでの設定が必要となる。


 なお、転送速度に関してだが、正直なところ決して速いとは言えない。
 確かに、内蔵のW-SIMよりも安定し、かつ高速ではあるのだが、正直実効で1Mbpsも出ていないのでは無いかと思う。

 実際に、NAS上に置いたMPEG1データ(ビットレート1152kbps)をTCPMPで再生してみたところ、やはりリアルタイムには再生されず、途切れ途切れの再生となった。
 同一のデータをローカルで再生する分には問題無く再生されるし、実際ネットワーク越しでの再生時も、バッファが途切れない間は問題無く再生出来る訳なんで、純粋に帯域が足りないことがよくわかる。


 W-ZERO3[es]は、内蔵ストレージがそれ程潤沢とは言えず、実運用に於いては、内蔵メモリ代わりのminiSDは必須だと思われる。
 IMSW-822を用いる場合、そのminiSDとのトレードオフとなる訳で、そのことも考慮に入れると、正直、位置づけが難しいアイテムである。

 とは言え、少なくとも内蔵のW-SIMより高速なのは確かで、現状、W-ZERO3[es]W-SIM以上の転送速度が欲しいとなれば、これしか選択肢が無いと言うのもまた事実。そういう意味では決して無価値であるとも言い切れない。

 結論としては、アクセスポイントの問題も含め、決して万人向けであるとは言えないが、これらを理解した上で、ピンポイントで使える状況・環境であれば、まさしく替わりの無いアイテムであるのは確かであろう。


 ただ、個人的には、前述のストレージの事もあるので、通信系デバイスに関してはUSBで接続するのが正解のように思える。そういう意味では、この試作品を是非とも商品化して頂きたいトコロである(^^;)。